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リチウム電池の電圧は、正極材料と負極材料の電極電位と密接に関係しています。異なる材料を使用したリチウム電池間の電圧のばらつきは、主に以下の要因に起因します。 電極材料の化学的性質の影響 リチウム電池は、充放電時に正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで動作します。電極材料の化学的性質は重要な役割を果たし、電池の電圧を直接決定します。例えば、一般的な正極材料であるコバルト酸リチウム(LiCoO₂)は、コバルトの高い酸化還元電位を活用しています。動作中、LiCoO₂はリチウムイオンと電子を速やかに放出します。グラファイト負極と組み合わせると、電池電圧は約3.7Vに達します。一方、リン酸鉄リチウム(LiFePO₄)は、鉄の酸化還元電位がコバルトよりも低いため、グラファイト負極と組み合わせると約3.2Vの安定した電圧が得られます。これらの違いは、電子雲の分布と元素間の化学構造の違いに起因して...
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リチウムイオン電池は、主に正極、負極、電解質、セパレータで構成されています。充電時には、リチウムイオンが正極材料から脱離し、電解質を通過して負極材料に挿入されます。放電時には、リチウムイオンは逆方向に移動し、負極から脱離し、電解質を通過して正極に戻ります。このように正極と負極の間でリチウムイオンが繰り返し挿入・脱離することで、電池の充放電機能が実現され、デバイスに電気エネルギーが供給されます。 リチウムイオン電池の容量劣化は、可逆容量低下と不可逆容量低下に分類されます。可逆容量低下は比較的軽度であり、充放電プロトコルの調整(例:充電電流の最適化、電圧制限)や使用条件の改善(例:温度・湿度管理)によって部分的に回復できます。一方、不可逆容量低下は電池内部の不可逆な変化によって発生し、永久的な容量低下につながります。サイクル寿命試験に関するGB/T 31484-2015規格では、「標準サイクル...
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